膣式子宮全摘手術体験記(2001年6月投稿)
この投稿は、子宮頸がん0期と診断され、2001年5月に膣式子宮全摘手術を受けられたRさんが2001年6月に送ってくださった、入院・手術の手記です。
8年半ぶりの子宮ガン検診で引っかかり、上皮内癌の診断。 膣式子宮全摘手術は、経産婦で、病気の進行も上皮内癌、つまり細胞診で言うとクラス4の人にのみ勧められている手術のようです。 それより進んでいる場合は、円錐切除で調べてから再手術のようですね。 実は、主治医には円推切除か、全摘かどちらでも…と言われたのです。 いろいろ考えた末、今後子宮体癌という不安を抱えていくのもいやだし、40歳になって子どもも作るつもりはないし、卵巣を取るわけではないので、更年期障害ということもない、ということで全摘にしました。 実は、夫とは避妊手術をしようか…という話もしていたくらいなので…。 全摘のプラスは、体癌の心配がなくなることです。 マイナスは、もちろん子どもが産めなくなることですが、私のような経産婦にとってはきっとそれより喪失感、というようなセンチメンタルなことかもしれません。 (ただ、脳天気な私は、生理のわずらわしさから開放されるっていうのも魅力でした。子どもが欲しいのに産めなくなる、という方にはこれって暴言ですね。でも、喪失感を感じてブルーになってはいられないっていう気持ちの表れかもしれません。) 手術の前にはお決まりの様々な検査を、外来でしました。 入院は、のべ9日間です。 入院1日目 レントゲン、抗生剤のテスト、麻酔科外来での問診。 20〜40歳代の女性に麻酔後の副作用、吐き気やめまいが出やすいことを聞く。 剃毛。 食事は普通で、就寝後は絶食。ただしお茶、水などはOK。 入院2日目(手術日) 午前8時以降は絶食。水もだめ。 午前中から点滴。抗生剤だったと思う。 手術30分前に、筋肉注射。眠ってしまったよう。 その間に、おしっこの管も入れられたんだと思う。 2:20PM、もうろうとしたまま、手術室へ。 巨大なベルトコンベヤーのようなものに乗せられて、手術台に移動させられる。 下半身の脊髄麻酔された模様。 「これ感じますかー?」と何回か聞かれて感じませんと答えたところから記憶なし。 4:40PM、手術室を出る。実際の手術時間は1時間10分の予定と聞いていました。 麻酔が切れてから、痛いのなんのって痛かった。 以前、急性胃炎になったときのように、えびのようになっても痛かった時のように痛かった。終わりのない陣痛とも言えるかも…。 この時あんまり痛くて、苦し紛れにラマーズ法で習った息をふーっと思いっきり吐き出すお産の最後の方の呼吸法をやったら、痛みがやわらいだ。 「痛い、痛い、痛い」とずーっと言っていた記憶がある。 いろいろな鎮痛剤を打たれたようだけれど、最後のでやっと効いた。 夜中に目がさめたけど、その時はもう痛めの生理痛程度の痛さで我慢できた。 翌日、昨日痛かったんだってねえと他の看護婦さんに言われてしまいました。 入院3日目(術後1日目) 朝、8時から重湯。水もOK。 おしっこの管を抜いてくれて、体を拭いてもらう。普通のパジャマに着替える。 抗生剤、栄養剤の点滴1日中。 処置があったので、歩いて処置室まで行く。傷の消毒。 麻酔によるめまいなどはなく、出血もなく、気分は上々。 外に出ている傷はないので、とても楽なんだと思う。 痛み、というより違和感が残る。 37度台の熱があり、午後、座薬をもらって少し眠る。 入院4日目(術後2日目) 今日は、全粥。昼はパンだった。 この日も37度台の熱があったけれど、いたって元気。 処置は、消毒のみ。術後良好。 抗生剤と栄養の点滴1日中。 髪を洗ってもらう。 術後、24時間たった後はめっきり元気になり、この日もどんどん体力を回復していきました。 つながれた犬のように、点滴の棒?を引きずりながらうろうろする。 入院5日目(術後3日目) 普通食になり、点滴は朝と晩の抗生剤だけになる。 処置は、消毒。 出血もなく術後良好。 食事も、自分で取りに行くようにし、なるべく動き回るようにする。 入院6日目(術後4日目) 術後4日目でシャワーOK。 点滴も昨日と同じ。 入院7日目(術後5日目) 抗生剤は点滴ではなく、錠剤になる。 5日分の薬をもらう。 入院8日目(術後6日目) しっかり食べて、動き回る。 入院9日目(術後7日目) 朝、血液検査。 診察があって、退院OKが出る。ただし、入浴はシャワーのみ。 看護婦さんによると、家のお風呂なら入ってもいいと言う先生もいるそう。 病理検査の結果、子宮頸部の上皮内癌とのこと。最初の見立てと同じ。 卵巣も異常なしとの事。2週間後の検診に来るよう言われる。 術後3週間後 診察。 傷はきれいにくっついているとの事。 溶ける糸を使っているので、時々出てくるかもしれないけれど、心配ないとの事。 普通の生活をしていいですと言われた。 半年後に、またくるようにとの事。 現在 術後3週間と3日たって、とても元気です。 (実は、退院翌日には、チャリに乗って買い物に行った! さすがに、午後はバテて寝てましたが…) 回復が早いのが膣式手術が良いところだと思います。(先生もそう言っていた) ただし、5%の確率で、子宮と腸が癒着している場合は、開腹手術になります。 とにかく、早期に見つかったのが本当に幸運なことでした。 看護婦さんにも、自覚症状あったの?とか聞かれましたが、なかったのです。 検診さまさまです。 婦人科系では、まだ卵巣が残っているし、乳がん検診も2年サボっているので、さっそく行くつもりです。 |
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