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33.再会

ガン告知を受け、子宮全摘と言われた時は割とあっさり受け入れられたのに、抗ガン剤治療するかしないかを決めるまでは、ものすご〜く悩んだ。

私は3日間考えに考え抜いた末、抗ガン剤治療を断ることにした。
リンパにも他の部分にも転移はないんだし、皮一枚で次のステージとはいえ、とにかく今のステージはまだ○○期なんだ。
私の状態での標準的治療では必要ないとされる抗ガン剤治療を6ヶ月もやるメリットは、「安心感」だけ。
自分の不安感を打ち消すためだけに抗ガン剤治療する意義を見出せなかった。
再発したら、その時はその時。自分が一番ベストだと思える治療法を選んでやればいいや。

回診に来たDr.コアラから「抗ガン剤、どうする?」と聞かれた。

「今回は、やりません」

「そうか。それでいいと思うよ。やると苦しいしね」

私は、まだ入ったままになっている腹部左ドレンが抜けたら退院することになった。
相変わらず浸出液の量が多いので、いつ退院できるかはわからないけれど…。

お姉さんは、抗ガン剤治療するために体調を整えていた。
血液検査などもしていたようだ。
白血球数や、内臓の機能などを調べていたのだろう。


きりんさんが深夜に急変して個室へ運ばれて行って以来、婦人科病棟には朝も昼も夜も、きりんさんの旦那さんの姿があった。
旦那さんは病室に泊まり込んでいるのだ。
きりんさんの病状はそれほど厳しいということなのだろう。
でも、旦那さんが病院にいるということは、きりんさんは頑張っているってことなんだ。

ある日、地下の売店へ買い物に行った私がエレベーターに乗って病棟の階で降りると、たくさんの点滴と酸素ボンベがついたベッドがエレベーターホールに運び出されていた。
ベッドには誰かが寝ている。
なぎさ病院では、患者の寝たベッドがエレベーターホールに出されるのは、オペ室に行く時だけだ。
今日はオペ日じゃないのに、何だろ?

ベッド脇に、きりんさんの旦那さんの姿があった。
あれ、じゃあ、あのベッドにはもしかして…。

ベッドに寝ていたのは、やっぱりきりんさんだった。
酸素マスクこそ付けていたけど、ちゃんと意識があって、私に向かって手を伸ばして来た。

「久しぶり!」

「うん」

私が握ったきりんさんの手は熱っぽかった。
旦那さんが「これから検査室に行くんです」と教えてくれた。
個室に運ばれて行った夜よりは具合よさそう。
でも息遣いはまだ荒い。
あまり疲れさせないよう、私は「行ってらっしゃい。またね!」とその場を離れた。


最後にきりんさんと会ったのは、私が退院する数日前。
旦那さんが押す車椅子に乗った彼女は、玄関ホールにいた。お散歩なのだろう。
まだ酸素マスクはつけていたけれど、座れるようになっていて、すごい回復だと思った。
その後のきりんさんがどうしているのか、私には知る機会がない。


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