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ホーム> メニュー> ぴょんぴょんのがんになっちゃった!顛末記> 10.手術前日

10.手術前日

明日はいよいよ手術という日。
朝、ナースに今日と明日の手順を書いた紙を渡された。
私の手術は朝一番で、予定の所要時間は3時間30分。執刀はDr.パンダ。
今日の午後、下剤を飲んで、夜に浣腸し、明日の朝にも浣腸するとのことだった。ひぇ〜。

その日の午前中、私の病室に入院して来たのは1人だけだった。
かなり年配のご婦人で、婦人科疾患とは別の病気のために言葉と手足が不自由になり、車椅子を使っていた。
彼女は手術を受けるわけではなかったが、介助が必要なのでナースステーション近くの部屋に入れられたようだ。
明日、手術するのは私だけなのだろうか?


もうすぐお昼という時間になって、「手術の説明があるから」と呼ばれた。
指定された部屋へ行くと、麻酔科のDrとナースが待っていて、私の他に3人の患者さんが座っていた。
その患者さんたちの病室は、私のいる部屋の隣や、またその隣らしい。

麻酔科のDrがパラパラとオーダー表のようなものをめくって、名前を確認する。
Drの一番近くに座っていた私には、オーダー表に名前と病名が書かれているのが見えた。
私以外の患者さんは全員が子宮筋腫で、私だけが「体癌」だった。

麻酔科のDrとナースは、「手術室では、スタッフ全員が帽子やマスクを付けているので、目しか出ていなくて怖そうに見えるかもしれないけれど、大丈夫だから」とか、「わからないかもしれないけれど、その中に私たちもいますから」と話してくれた。

そして硬膜外麻酔の道具を見せてくれ、「定期的に痛み止めの薬が送られる装置です。オペ室でこれを背中に付け、手術の次の日いっぱいは、付けたままにしておきます。それでも、もし痛かったら、このスイッチを押してください。痛み止めが追加されます。何回押しても、命に危険がないような量の薬が送られるようになっていますので、安心して使ってください」というようなことを説明してくれた。

「手術の後、喉が痛いかもしれないけれど、それは人工呼吸器を使うからです」という話も聞いた。

私の中には、「人工呼吸器を使うということは、筋弛緩剤を使うということ」という認識があったので、びっくりした。
「質問はありますか?」と尋ねられたので、さっそく聞いてみた。

「筋弛緩剤を使うのですか?」

「そうです」

私は、なんだかどえらい手術を受けるようだ。

「脊髄にも、麻酔の注射を打つんですよね?」

「そうです」

「あのぉ、脊髄の麻酔は、全身麻酔とかをかけてからにしてもらえないでしょうか」

「全身麻酔をかけてからだと、脊髄麻酔を打つ体位が取れません。以前に脊髄麻酔を打ったことがあるのですか?」

「あります。すごく痛かったです。だから、今回もいやでいやでたまらないのです」

「うーん。では、脊髄麻酔を打つ場所に、前もって麻酔を打ちましょう」

「はぁ」

「前もって打つ麻酔は、針の細いのを使います。たぶん、痛みはあまり感じないでしょう」

麻酔の麻酔というのもヘンな話だったし、本当に打ってくれるのかどうかもわからなかったが、気分はだいぶ楽になった。


その日の午後、指示された下剤を飲んだ。
注腸検査の時にも飲まされた酸っぱい味のもので、量も多く、酸味に弱い私にはかなりの苦行だった。


午後3時頃、ナースが呼びに来た。
剃毛をするという。
部屋に入ると、またまた内診台に上れと言われた。
はいはい、わかりました。
しかし、男性も剃毛の時はこの台なのかなぁ?
安全カミソリで剃るのだとばかり思っていたのだが、ナースの手を見ると、床屋さんで使うような長いカミソリを握っている。

「ちょっと待って〜! それで剃るのぉ?」

「ええ」

「思いっきり怖いんですけど…」

「大丈夫、毛を剃って20年!」

ナースはにっこり笑い、そして本当に上手に剃ってくれた。
痛くはなかったけど、複雑な心境…。

「あのぉ、これ、元通りになるのに、どのくらいかかりますか?」

「ごめんね、私、病棟の看護婦なのでわからないの。元通りになる前に、患者さんは退院しちゃうのよ」

そうか…。
この「お子様状態」から脱却するのに、いったいどのくらいかかるのだろうか?
この疑問は、後に、3カ月かかると判明した。


夕方近くなって、入浴の順番が回って来た。
なぎさ病院では、ふだんは皆、病室のシャワールームを使っており、手術前の患者さんのみが別の場所にある浴室を使えるらしい。
大きな湯船に浸かりながら、「今度はいつ入れるのかなぁ」と思った。
鏡に映った自分を見ながら、「どんな傷になるんだろう」とも考えた。


そして夜。
浣腸の時がやって来た。
やったことがなかったのでびびっていたのだけど、注腸の時と同様、楽勝だった。

別の睡眠薬を処方してもらい、「今晩こそは寝るぞ!」と思った。
ナースにも、「今晩出した眠剤は少し強いから、ふらつくかも。夜中にトイレへ行く時は、ナースコールで呼んでください」と言われたけれど、やっぱり眠れなかった。

私と同室のご婦人は、一人では歩けず、ベッド脇に置かれたホータブルトイレを使っていた。
彼女がトイレに行く時は、2人のナースが介助し、なかなか賑やかであった。
用が済むと彼女は眠ってしまうのだが、いびきがすごい…。
彼女が悪いわけではないから、文句は言えまい。
しかし、彼女が寝ていてもトイレに起きても、なんらかの音はするわけで、私はうつらうつらして過ごした。

数時間後、睡眠薬にアレルギーがあったらしく、薬疹が出てしまい、痒くて痒くて本格的に起きてしまった。
背中、両腕の内側、首回りなど、身体の柔らかい部分に幾筋もの「みみず腫れ」が出ていた。


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