15.術後４日目

朝の回診でＤｒコンビが回って来た。

「先生、お水飲んじゃダメ？」

「あ、いいよ」

「ランドリーや他の階に行ってもいいですか？」

Ｄｒコンビについていたナースが口を開きかけたが、Ｄｒ．パンダの言葉の方が早かった。

「洗濯？　いいよ」

やった〜！
これで晴れて、病院内をウロウロできる。

飲水の許可は出たけれど、飲んでいいのは水、お茶、果実分などの固形物が入っていないジュースだけなんだって。牛乳などの乳製品が入っているものは、まだダメだと言い渡された。

回診が終わってから、売店へジュースを買いに行った。
術後初めて飲んだグレープジュースは、正に「甘露」で、とってもおいしく感じた。

その日、傷の消毒とガーゼ交換の時、思い切ってお腹を見てみた。
へそ上から始まった傷は、「くの字」を描いておへそを迂回し、その後一直線に下へ伸び、大陰唇近くで止まっていた。
そして、傷のところどころがホチキスのような金属で止められている。
なんじゃ、これは？
傷は糸で縫うのだと思っていたけど、今はこういう方法でくっつけるのかぁ。
傷の左右、陰毛の生え際の少し上にあたる部分からは、ドレンのチューブが１本ずつ出ていた。
見た目はびっくりだけれど、ドレンが入っていることに関しての痛みはなかった。

術後４日目は、ラマーズ法の呼吸をしながら廊下をせっせと歩き、１日が過ぎた。
どういうことをすると傷が痛むかがわかって来たので、術後すぐと比べるとだいぶ楽になったと思う。
２４時間の点滴はまだ取れないけど、飲水の許可は出たし、ご飯が食べられる日も近いだろう。