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26.怒りの爆発

相変わらず、見舞客軍団は毎日来て、大騒ぎは続いた。
見舞いに来ているのだか、ハムスターさんを疲れさせに来ているのだか…。

そして、「お墓買いました」事件以来、ハムスターさんは一晩中うんうん唸っているようになってしまった。
軍団は、自分たちが帰った後、ハムスターさんがどのような状態になっているのか知っているのだろうか?


げーげー吐いていた翌晩は一晩中小さな唸り声が続くだけだったが、その次の晩は唸り声の間に苦しげなつぶやきが混ざった。
母国語で「痛い」とか「助けて」と言ってるんじゃないかと思われた。
そして、3日目の晩の唸り声は、もう悲鳴に近かった。
私はナースコールを押した。

やって来たナースはハムスターさんの様子を見て、Drを呼んだ。
ポータブルレントゲンが運び込まれ、深夜の病室は大騒ぎになった。

ハムスターさんのベッドを取り巻くカーテンの中から、「検査のため、針を刺します。ここ、ちょっと痛いけど」というDrの声が聞こえる。
ハムスターさんの悲鳴がする。
人や機械の出入りする音で寝てなんかいられず、Drの説明する検査は聞いているだけで痛そう。
もう、どうにもたまらなかった。
午前2時ぐらいだったが、私はテレビをつけ、イヤホーンを耳に押し込んだ。
「テレビ消して寝なさい」とは、誰も言わなかった。

処置が終わると、ハムスターさんは静かになった。
はぁぁ…。


寝ているだけみたいな病院の生活にも、毎日のスケジュールは存在する。

朝起きたら、顔を洗って歯を磨く。
朝食前に検温と血圧測定をし、前日の排尿と排便の回数をナースに申告する。
朝食を食べて少しすると、お掃除の人が来る。
主治医が回って来ることもある。
検査のため、レントゲン室などへ行くように言われることもある。
傷の消毒やガーゼ交換などの処置をし、点滴することもある。
そうこうしているうちに昼になり、昼食が運ばれてくる。
昼食後にもナースが回って来て、検温や血圧測定があり、「ご飯どのくらい食べられましたか?」と聞かれる。午後の点滴があることもある。
そのうち面会時間になり、お見舞いの人がやってきて、病棟は賑やかになる。
夕食が運ばれ、面会時間が終わると、就寝前の点滴や血圧測定などがあって、歯を磨き、消灯。

昼間の病院生活はけっこう忙しく、見舞客軍団もうるさくて、まとまった睡眠時間は取れない。
夜は夜で毎晩騒がしく、ちゃんと眠れていない。
私は病気で入院しているのに、昼も夜も満足に寝かせてもらっていないのだ。
ダメだ。もう我慢できない。

私は静かになった深夜の病室を抜け出してナースステーションへ行き、夜勤のナースに、「ハムスターさんのところへ来る見舞客の人数が多くて、うるさくて、もう我慢できません。どうにかして!」と訴えた。
ナースは、「わかりました」と言った。


朝になっても、ハムスターさんは起きなかった。
前夜あれほど痛がったのが嘘のように静かに眠っている。

彼女の点滴が一つ増えているのが気になった私は、そっと近づき、点滴パックに書かれた文字を読んだ。
強い鎮痛剤が使われている。
昨夜はかなり痛かったんだな…。
そして、その薬を使っている限り、彼女はうつらうつら眠るだろうと思った。

朝の検温でナースが回ってきて、「ぴょんぴょんさんは今日、部屋変えしますので荷物をまとめてください」と言った。

何ですって!?
移される病室がどこか聞いた。
そこは、具合が悪くなったりしたため、入院して出産を待つ妊婦さんの部屋だった。

私は何も悪いことをしていない。何で私が荷物をまとめなくちゃならないの?
何で私が妊婦さんの部屋に行かされるわけ?
私は自分が子供を生めなくなったことを嘆き悲しんではいないけど、今は、妊婦さんと一緒の部屋になりたい気分でもない。
この病院って、デリカシーないのだろうか?
身体だってまだ痛いのよ。荷物をまとめるのは一苦労で、お腹や腰が痛くなるでしょうよ。
何で私がそんなことをしなくちゃならないの?
我慢ならなかった。全然納得できなかった。

ハムスターさんに腹を立てているのか、見舞客軍団に腹を立てているのか、ナースに腹を立てているのか何だかよくわからない状態になり、それでもハムスターさんを起こさないよう、私は小声でまくし立てた。

「なぜ、私が部屋変えなの?」

「うるさいと言ってたので…」

「私だって具合はよくないです。身体だって痛いし、荷物まとめるのはひと苦労ですよ! 次は妊婦部屋? これは私に対する何かの罰なの?!」

ナースは、婦長か誰かと相談するためだろう、いったん病室を出て行った。
自分でも駄々こねているなぁと思ったけれど、こんな扱いをされる覚えはまったくなかった。

帰ってきたナースは、部屋変えしなくていいと言った。
ハムスターさんの見舞客には注意はするけれど、静かになるかどうかわからないとも言った。
こちらとしては非常に不本意だったが、「見舞客に対し病院が注意はする」ということで妥協するしかなさそうだ。


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