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22.紛争の予感

隣のベッドのハムスターさんは、私の母が亡くなった時と同じ年齢だった。母と重ね合わせて見る部分が多い。
言葉の問題があるので気軽なおしゃべりは無理だけど、朝は「おはよう」、夜は「おやすみ」と声をかけ、目が合えばにっこり笑いかけるように心掛けた。
言葉も満足に通じないような異国で入院しているハムスターさんは、それでなくても心細いだろう。
軽い病気ではないし…。
こちらとしては、「話は通じないけれど敵意はない。仲良くしたいと思ってるんですよ」ということが少しでも伝わるといいなと思っていた。

ハムスターさんは、医師から絶食を命じられていた。飲水については許可されていたようだ。
食事の時間になると、彼女の隣のベッドにいる私のところへはトレーが運ばれて来る。
ハムスターさんには食事は出ない。栄養補給のため、24時間の点滴がつけられていた。
彼女に食欲があったがどうかはわからないが、食べられるこちらとしては何だか気が引ける。
いつも申し訳ないような気がして、少し動けるようになると、食事のトレーをデイルームへ持って行って食べたりしていた。


ある日、いつもよりさらに元気がない様子のハムスターさんが、話しかけたそうなそぶりを見せた。
「なあに?」と笑いかけると、「ご飯ない。ウンチ出ない」と言いながら、憤慨した様子でいきなりパジャマのズボンを下げ、お腹を出して、私に向かって突き出した。

絶句した。
「予定日はいつですか?」と聞きたくなるほどパンパンに張ったお腹だった。
やせ細っている腕や足と対照的に、はちきれそうになっているお腹…。
痛々しくて見ていられなかった。
彼女の「日本語」と行動を総合して推察すると、「食事がないので便は出ない。それなのにお腹はパンパンになって苦しい。病院は何もしてくれない!!」と言うことらしい。
気の毒だとは思う。でも、私には何ともしようがない。
それ以来、ハムスターさんに対しては、ますます気を使うことになった。


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