がんの組織分化度についてのぴょんぴょんメモ
「腫瘍がある」と言われるとびっくりしてしまいますが、腫瘍には良性と悪性があり、良性腫瘍の場合は基本的に「命うんぬん」という話にはなりません。(良性腫瘍でも、できた場所によっては、他の器官を圧迫したりして支障が出るので治療する場合はあります)
でも、がんは、そのものズバリ悪性なはず。
にも関わらず、「顔つきのいいがん」「顔つきの悪いがん」って何?????
私は、「顔つき」「性質」「たち」で表されるがんの組織分化度の話を見て、「そもそもが悪性なのに、性質がいいも悪いもないんじゃないの?」とずっと不思議でした。
顕微鏡でのぞいたがん組織が、にっこり笑っていたり、怒って見えるわけでもあるまいに…。
また、組織分化度は、「悪性度」というおっかない言葉で表現されていることもあり、これも困惑する原因になっていました。
悪性腫瘍であるがんの悪性度って何よ? って感じ。
一般論として、組織分化度が高ければ高いほど、「顔つきがいいがん」「おとなしいがん」と言われます。
いろいろな文献を読んだ結果、組織分化度の説明の中に出てくる「悪性度」とは、増殖スピードのことを指しているようだと理解しました。
高分化がんは、そこにあるべき本来の器官の細胞、つまり正常になろう、なりたいという気持ちが大きかったがん細胞で、増殖スピードが遅い。
だから「おとなしい」。
未分化がんは、「こういう器官の細胞になれよ」という遺伝プログラムがあるのに、それを無視し、がんになって増える気満々で増殖スピードが速い。
だから「性質が悪い」。
がん細胞に「気持ち」という言葉を使うのはへんですけど (;^_^A
組織分化度が未分化、低分化だった患者さんは、「私のがんは、たちが悪いのぉ?!」と暗澹たる気持ちになられるかもしれません。
でも、高分化=増殖スピードが遅い、低分化=増殖スピードが速いというのは、一般論であり、治療方針は組織分化度だけでなく、ステージ等も考慮して決められますので、くれぐれもグレードの悪さだけを考えて鬱々となさらないでくださいね。
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