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ちょっとした知識の大切さ

子宮がんで手術すると、後遺症の心配がありますよね。
特に、卵巣を取ったり、リンパ郭清された患者さんは、いつも心のどこかで後遺症の心配をされているのではないでしょうか。
ぴょんぴょんも、やっぱり今でも心配です。

子宮がんで開腹手術をした場合に起こるかもしれない後遺症の代表的なものには、排尿・排便障害、卵巣欠落症状(更年期障害)、リンパ浮腫、リンパ管炎などの炎症、腸閉塞などが挙げられると思います。
この中で排尿・排便障害は、術後トイレに行った時や残尿検査ですぐにわかります。
術後に症状がなければ、後々になっていきなり排尿・排便障害になることはありませんし、症状があっても、日が経つにつれ軽快していくことが多いのです。

ところが、卵巣を取った場合に起こるかもしれない卵巣欠落症状と、リンパ郭清によって起きる可能性があるリンパ浮腫やリンパ管炎などの炎症、開腹手術をした時に心配な腸閉塞は、術後すぐに出ることもありますが、数年後に出る場合もあるんです。

卵巣欠落症状の中の不定愁訴が起こるメカニズムは更年期症状と同じですから、術後数年経って、女性ホルモンが少なくなった状態に身体が慣れれば、消失していくのではないでしょうか。
逆に言えば、術後数年経っても症状が出なければ、それ以降に症状が出ることはないと言えるでしょうね。

リンパ浮腫とリンパ管炎などの炎症、腸閉塞については、「術後○年経ったから、もう大丈夫」という目安がありません。
術後5年くらい経ってからリンパ浮腫になったという話を聞いたこともあるので、一生気をつけなければならないのかな〜と、ぴょんぴょんもこれが一番心配です。

ぴょんぴょん自身、術後は足が痛かったり、重だるかったりすることが多いんです。
特に鼠蹊部周辺は、痛かったり、ゴリゴリしたものができたり消えたりを繰り返すので、浮腫になるのかな、リンパ管炎になるのかなと、いつもいつも心配していました。

リンパ郭清する時は、取るリンパの周囲にある小さな神経などをどうしても切ったり傷つけてしまうことになり、それが痛みの原因になる場合もあるそうです。
この痛み自体は、治るまでに時間がかかります。
我慢できなければ、痛み止めなどの薬で対症療法して、時間が経つのを待つしかないみたい。
ぴょんぴょんは、郭清したことによる痛みと、浮腫や炎症になるかもしれないサインの痛みとの違いがわからず、やみくもにびびってました。

特に、痛くなったのが夜だったりすると、「すぐに病院へ行って、救急外来で診てもらった方がいいのかな。明日の朝まで待っても平気なものなのかな」と思いました。
我慢できないほど痛ければ、何も考えずに病院へ直行したでしょうが、我慢しようと思えばできる程度の痛みだと、病院へ行くべきか、痛み止めを飲んで我慢してみるか、考えちゃうんですよね。
どうすりゃいいんだぁ!という感じでした。

ところが最近、リンパ浮腫の患者さんやお医者さんと話して、耳寄りなことがわかりました。

まず、リンパ浮腫ですが、リンパ郭清によって起こる浮腫は、太ももから腫れてくることがほとんどで、足首からは腫れてこないとのこと。
しかも、両足太ももが同時に腫れてくることは稀だそうです。
だから、浮腫が心配なら、両足の太もものサイズを毎日でも測ればいいわけ。
もし、片足の太ももだけがサイズアップし、しかも、指で押した跡がぺっこりへこんだままなら、浮腫の可能性大です。
両足共にサイズアップしている場合は、指で押してみてね。
へこんだままなら、これまた浮腫の可能性があります。
こういう時は、速攻で病院へ行った方がいいでしょうね。
押してもへこまないけど、両足ともサイズアップしている場合は、単に太っちゃっただけなのかもしれないです。

次に、リンパ管炎などの炎症について。
先日、ぴょんぴょんは外科で腹部CTを取った結果、右の卵巣があった部分付近に3cm大のリンパ嚢腫ができていることを指摘されました。
びっくりしたよ〜。
鼠蹊部のゴリゴリも、郭清したことでリンパの流れが悪くなり、それが停滞しちゃうとゴリゴリとなって出現し、うまく流れ出すと消えるらしいです。
鼠蹊部には、足のリンパが必ず通過する「大きな中継基地」があるんだって。
そこらへんを郭清しちゃうから、どうしても流れが悪くなりやすいそうです。

で、お医者さんから言われたんだけど、リンパ嚢腫があっても、それ自体は、あまり心配いらないって。
もちろん、大きくなったり、痛みがあるようなら、治療が必要ですけどね。
怖いのは、リンパ管炎、リンパ節炎、蜂窩織炎(ほうかしきえん)などの炎症なんです。
そして、炎症を起こした場合には、高熱が出るそうです。
だから、リンパ嚢腫とかゴリゴリがあって熱が出た場合は、これまた速攻で病院へ行った方がいいでしょうね。
痛くなくて、熱も出ていなければ、とりあえずは何も治療しなくていいと言われました。

これらのことを知ってから、やみくもにびくびくしなくて済むので、少し気分が楽になりました。
もちろん、今まで書いたことは「あくまでも目安」に過ぎないので、「変だな」と思うことがあったら、ちゃんと病院で診てもらってね。

こういう話って、医療従事者は常識として知ってるんだろうけど、患者は普通の人だから、知らないわけよ。
術前の説明でお医者さんから「リンパ浮腫になる可能性がある」とか聞かされた患者は、「脅かされた」わけなんで、かなりナーバスになると思います。
どうせなら、「脅かしついでに、見分け方の知識も教えといてよね!」と、お医者さんに言いたい。

ぴょんぴょんは腸閉塞になったことがないけど、経験者の話を聞くと、「我慢しよう」なんて考えられないほど痛いらしいです。
だから、これは間髪を入れず、病院直行でしょう。

手術した患者の皆さんは、自分の病気とか、受けた治療のこと、どこまで知っているでしょうか。
あなたは、下の6つを言えますか?

1.自分の病名
2.手術の内容(取った臓器は何か)
3.ステージ
4.偏平上皮がんか腺がんか
5.リンパ郭清した場合は、取ったリンパの数(数でなく「グループ」で表わす病院もあるようです)と、転移の有無
6.現在受けている治療や、使っている薬の名前

何でこんなことを聞くかというと…。

お医者さんは神様じゃありません。
自分の医学知識と経験、患者の主訴、患者の検査結果などのデータを総合して診察するんですよね。
その中で、医学知識と経験は、お医者さん自身に努力して会得してもらわなければならないものです。
でも、データ(情報)に関しては、患者自身が提供できるものもあります。

患者さんは普通、具合が悪くなった場合、手術した病院(現在治療を受けている病院)へ行くと思います。
でももし、外出先などで急に具合が悪くなったら、我慢できずに手近の病院へ駆け込むことになるかもしれません。
そこには、あなたのいつもの主治医はいないし、がんの病歴を記したカルテもありませんよ。
ある程度のことは、自分で説明しなければならないのです。
新しい病院にかかった場合、上に書いた6つの項目は、必ず聞かれると思ってください。
そこには、具合が悪くなった原因、治療方針、使える薬、使ってはいけない薬などをお医者さんが考える上で重要な情報が含まれています。
素早くきちんと説明できれば、それだけ早く対処してもらえるし、医療事故から自分を守ることにもつながると思います。

2001.5.13   記
2005.8.31 更新


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