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TPOを考えずに大騒ぎで周囲はウンザリ

「TPO」は、時(time)、場所(place)、場合(occasion)の頭文字をつなげた言葉で、TPOに応じて服装や行動、言葉などを使い分ける必要があるという考え方を指します。
TPOを考えて行動しないと、「変な人」「嫌な人」「困ったちゃん」にもなりかねません。
正装指定の結婚式に作業服で行ったり、映画館で上映中に大声でしゃべるのは、TPOを考えていないことになります。

インターネットの世界にもTPOはあります。
そして、がん患者でもTPOは考えなくちゃなりません。
これ、すごく大切。
何でこんなことを書くのかというと、皆さんが思っている以上に、TPOを考えていない患者さんが多いからです。

がんという病気は、一昔前まで死を意味していました。
テレビドラマや小説などでも、ヒロインががんになり、周囲はそれを隠していたのに、ヒロインはひょんなことから事実を知ってしまい、彼女は自分が知っていることを周囲には言えずに苦しみ、でも明るく振る舞い、はかなく美しく亡くなっていく。周囲は、ヒロインが亡くなってから、病気に気づいていたことを知り涙する…、みたいな筋書きが多かったんじゃないでしょうか。

その影響からか、がんは隠すもの、がんを告知されたら後がない、などと思っている患者さんや、患者家族の方もいらっしゃるかもしれません。
でもね、今は、患者が子供やかなりの高齢者でない限り、特に子宮がんは、はっきりと告知されることが多いんです。
「がん=死」という医療事情でもなくなりました。

告知された患者さんの脳裏には、ヒロインが大切にされていたドラマの筋書きなどが浮かび、ほとんど全員が「私は悲劇のヒロイン。うるうる」という気分になります。
でも、おわかりでしょうけれど、実生活とドラマは違います。
「がんだから取り乱して当たり前」「がんだから自分は無条件でいたわってもらえる」「がんだから、どこで誰に何をしても許される」というものではないのです。
あなたはがん患者ですが、ぴょんぴょんも、ここに来訪される多くの方もがん患者ですので、掲示板等で「私はがんなんですぅぅぅ。大切にいたわってください」みたいなことを言われても、それを読んでびっくり&同情し、あなたの言うがまま動くということは、まずありません。

時折、「人に迷惑をかけてでも生き抜いてやる!」といったアブナイ決意表明をされる患者さんがいらっしゃいます。
気持ちはわからないでもないのですが、がんで、とても状態が悪かったとしても、言っていいことと悪いこと、やっていいことと悪いことはあります。
もしも法を犯したともなれば、がんだからと言って許されるわけもありませんし。

「がん患者」という水戸黄門の印籠が効果を発揮するのは、家族に対してとか、一般社会に対してかな。
少なくとも、がん患者サイトでは通用しません。
その印籠は、患者サイトではみんなが持ってます。
ちなみに、印籠を連発すると、一般社会でも効力が薄れますので、使い過ぎにはご注意ください。

「うさぎの本宅」は子宮がんや卵巣がんの病気治療の情報交換を目的にした患者サイトです。
「この検査は痛いのか」「こういう治療をすると言われたけど、どんなことするの?」「自分には、術後にこんな症状があるんだけど、みんなもそう?」という質問に対しては、誰か経験者がいれば答えられます。

でも、「出血があるんだけど子宮がんですか?」とか、「病気になってから家族とうまく行かなくなって…」とか、「こういう治療をやると言われたけど、それは絶対にいや!」という事柄には答えようがありません。

子宮がんかどうかの診断をするのは医師の仕事です。
「家族とうまく行かない」のは、がん治療体験についての質問でも疑問でもありません。
「うさきの本宅」で答えを求められても、「わかりません」「お答えできません」としか返事のしようがないんです。
それを聞いた患者さんがどんなにがっかりし、見捨てられた気分になるかと思うと、すごく言いにくいんですけれど、TPOズレです。

「うさぎの本宅」では無理だけど、TPOにフィットした場所、方法でなら、あなたの疑問や不安は解消できると思います。
それは、婦人科へ行くことだったり、心療内科へ行くことだったり、自分で自分の人生を振り返り自問自答を重ねることだったりするのですが、まぁ、TPOを考えて行動していただければ「うさぎの本宅」で言うべきこと、言ってもしょうがないこと、言ってはいけないことの区別もつくでしょう。

「こういう治療をやると言われたけど、それは絶対にいや!」と、ぴょんぴょんに言われてもな〜。
患者の病状を診て、ベストと思われる治療法を考え提示するのは医師の仕事であり、いち患者のわたくしが、子宮摘出がベストと診断された患者さんに対し、こちらから「黄体ホルモン治療というのもありますよ」とか、「初めに円錐切除を希望してみたら?」などと軽々しく言うことはできません。
医師法に抵触しそうですし、医師はもうその方法を考えて、種々の検査データから見て実行不可能と判断しているのかもしれませんから。

「この治療は絶対にいや!」と訴える患者さんに対してわたくしが言えるのは「そうですかぁ」か、「他の治療をしてくれるところが見つかるといいですね」か、これはすごく言いにくくてほとんど口にしませんが、「その治療をしなければ、あなたは近い将来、たぶん死んでしまうということです。自分でそう決めたのなら、それでいいんじゃないですか。他人の私がどうこう言える問題じゃありません」って感じでしょうか。

病気になって、悲しかったり、辛かったり、やるせなかったり、家族との間にすきま風を感じて孤立する気持ちはわかります。
でも、「こんな辛い思いをしてるのは自分だけ、こんな治療を受けているのは自分だけ、こんな後遺症が出たのは自分だけ。だから私は世界一不幸」と思うのは、大きな勘違いです。
すべての患者が一度は、「こんな辛い思い」をしています。
「こんな治療」や「こんな後遺症」も、多くの患者さんが体験されていることでしょう。

じっと黙って一人で耐えろと言っているわけではありません。
言うのであれば、TPOを考えていただきたいということです。
つまり…。
掲示板や数ある患者サイトは、その目的やTPOを考えて使ってくださいね。

それから、複数の掲示板に片っ端から同じ相談を書き込みまくるクロスポストも、何だかな〜と思います。
はっきり言って、これ、すっごい失礼で、サイト運営者側にはこの上なく迷惑なことですよ。
同じ質問に、複数のサイト管理者が神経使い、時間を使って返事してるんだもん。
そういうTPOは、がん患者であっても何であっても考えなくちゃダメよ、ということです。

2001.11.24   記
2005.08.31 更新


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