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「えっち」の話

はぁ〜。タイトル書いただけで汗かいちゃった。あはは。

まず初めに、言い訳から。
ぴょんぴょんは、このホームページで自分自身のことをけっこう事細かに書いていますが、術後の性生活については、本音も建前も自分の経験も、本に書かれている知識さえも、一切触れて来ませんでした。
ここには、ぴょんぴょんの素顔や実生活を知っている人も来ます。
ぴょんぴょんは結婚していますから、「いゃ〜ん、私、えっちなんてしたことな〜い」とは言いません。
健全な性交渉については、タブー感も持っていません。
でも、実際に顔を合わせる友達などがこのホームページを読んで、「ぴょんぴょんは、こんな風にえっちしてるのかぁ」と思うのかなと考えると、やっぱ恥ずかしいじゃない?
それから、赤裸々に書くことによって、公に「セックスカウンセラー」みたいな位置付けをされたら困るなぁとも思っていたのです。

でも、術後の性生活については、多くの患者さんが疑問や悩みを持っているんですよね。
以前開いていたぴょんぴょんのチャットルームでも、よく話が出ました。
「術後の性生活」というテーマでチャット情報交換会を開いた時は、びっくりするくらいの参加者がありました。
それで、ぴょんぴょん自身のことは、自分が「ここまでなら書ける」と思ったところまで、その他の部分については、ぴょんぴょんが見聞きした話を総合して、こちらへアップすることにしました。
ここに書かれていないことは、ぴょんぴょん自身知らないことか、面と向かってでしか話したくないことです。

また、ここに書かれていることは、医療従事者の監修を受けていません。
ぴょんぴょんの「ああカン違い」という部分があるかもしれませんので、おかしなところはご指摘ください。
「こんなこともあるよ」とか「もっといい方法があるよ〜」という話があったら、ぜひ教えてください。加筆修正します。
ご希望なら、教えてくださった方の名前は出しません。よろしくお願いいたします。

また、ここに書かれていることを鵜呑みにして、自分で判断したり、悲観的に受け取って騒がないでね。
何事にも例外があり、病状は人それぞれ違います。
病気についての心配や疑問等は、最終的にはあなたの主治医に質問&相談していただきたいと思います。

前置きが長くなりました。
じゃ、「えっち」の話、始めましょう〜。(再び、汗…)


●ぴょんぴょんの実体験から

子宮や卵巣の摘出手術を受けることになった患者さんの多くは、「取っちゃったら、その後、えっちどうするんだ〜。もしかして、もうできないの?」と思ったことでしょう。
「姿形や声が、男性みたいに変わっちゃうんじゃないか?」と心配になった方もいるでしょう。
ぴょんぴょんも「えっち、どうすんだ〜! 外見変わっちゃうのかぁ?」と思った一人です。
でも、お医者さんに、「どうなるんですか?」とは、なかなか聞けませんでした。
術前に聞いて、「あなたはもう、一生えっちできません」とか「男性化します」と言われたり、「あんた、何言ってるの! あなたはがんなんだよ、がん! えっちとか男性化とか、そんなこと気にするどころじゃないでしょ!」と怒られるのが怖かったのです。
それでも勇気を振り絞って聞いたら、「術後の性生活は、以前と変わりなくできます。男性みたいになんてなりません。わっはっは」と、あっさりきっぱり言われました。

そして術後。
まずは、外見の話から。
現在術後11ヶ月ですが、術前とな〜んも変わりません。
毛深くもならなかったし、声も低くならなかったし。
体型はちょっとばかし崩れたかなぁとは思うけど、これは運動してないせいもあるみたい。
この前、ナンパされちゃった♪(ちょっと自慢。えへへっ)

って前回書いてからさらに日が過ぎ、現在術後5年4ヶ月。
やっぱり、外見的な変化はないです。(しわ増えたでしょとか、そういうツッコミは却下ね 笑)

次にえっちのこと。
退院してしばらくは、具合もあんまりよくないし、お腹の傷が痛くて、えっちどころではありませんでした。
しかも、検診日にお医者さんと会っても、向こうからは「してもいい」とも「まだダメだ」とも言ってくれません。
そんなわけで、自分で勝手に「まだダメなんだろうな」と解釈していました。
先生に「もう、してもいいですか?」なんて聞いて、年中発情している女みたいに思われるのもイヤだったんです。

そして、はっと気が付いたら、退院後半年近くが過ぎ…。
ぴょんぴょんダンナは何も言いませんでしたが(感謝)、「いつまでもこのままじゃ、やっぱまずいよな〜。えっちしていいのかな、だめなのかな?」と思いました。
術後のえっちは、普通だと思いっきり痛いので、何らかの潤滑剤が必要と聞いていました。
潤滑ゼリーは薬局でも売っています。
でも、薬局で「潤滑ゼリーください」って言うのも恥ずかしいでしょ?
「どうやって買うんだよぉ」と思いました。
次の検診時、婦人科の主治医に思い切って切り出しました。

「先生、あのぉ〜。主人が『そろそろいかがでしょうか?』って言ってるんですけどぉ…」(ここで思いっきりモジモジしました)

すると先生はあっさり、「あ、もういいんじゃない」ですって。
次なる関門は潤滑剤です。

「でもあのぉ、先生…。痛そうで…。あのぉ…」(ここでもモジモジ)

「あ、そうだね。じゃ、潤滑ゼリー出しときます。何本いりますか?」

「………………」(『一度にどのくらいの量を使うんだよっ。わかんね〜』と思い、何も言えませんでした)

「じゃ、2本出しときますね」

先生はぴょんぴょんの沈黙をいいように(?)解釈してくれて、潤滑ゼリーの処方箋を書いてくれました。
こうしてぴょんぴょんは、あんまり恥ずかしい思いをせずに潤滑ゼリーを手に入れることができました。
ここまでがぴょんぴょんの体験談です。
自分のことについては、これくらいでカンベンしてください。
以降は、ぴょんぴょんが見聞したことのレポートになります。


●術後、えっちはできるのか?

子宮や卵巣を取ってしまっても、ほぼすべての患者さんがえっちできます。
子宮を取る時、膣の上部も少し切り取る場合もあるんですって。
それを聞くと、ちょっとアセるよね。
子宮がん等の手術で膣も切り取り、膣長が元の1/2以下になると、性交障害が出る可能性があると言われています。
ただしこれは「可能性がある」というだけで、「絶対に性交障害が出る」というわけではありません。

膣はとても伸縮性のある器官ですが、普通の状態では縮んでいて、その長さは平均7〜8cm位。
えっちする時はパートナーのお道具の状態によって膣が伸びるんですが、じゃあ何cmまで伸びるのが平均なのかは、個人差があるので一概には言えないそうです。
伸縮性に富んだ膣の人は、手術で膣長が1/2以下になったとしても必要なだけちゃんと伸びたりするわけで…。
何回も書いちゃうけど、膣は、それ自体がとても伸縮性のある器官です。
だから、手術で少々膣が短くなっても、えっちする機能というか、「お道具」自体は問題ないと言っていいでしょう。

膣の上部(手術によって子宮と切り離した断面)は、縫って閉じてあります。
縫わないで自然に閉じるのを待つケースもあるそうですが、いずれにしても、術後の検診でDrが内診して、傷がきちんと閉じているのを確認します。
だから、DrからえっちOKが出たら、傷は閉じています。
精液がお腹の中に流れ込むことはないので、安心してね。

男性の方はどう感じているかですが、術後初めてのえっちの時は、パートナーもかなり気をつかうようで…。
えっちには、マニュアルがありませんから、仲良く頑張ってみてくださいね。

ただし、何事にも例外はあります。
きれいごとばかり連ねても仕方ないし、レポートなのでぴょんぴょんが知っていることを書きます。
ごくごく稀に、何らかの理由により、膣がかなり短くなってしまう場合や、ほとんど残せない場合があるそうです。
あ〜、術前の患者さん、あんまり悲観しないでね。本当に、ごくごく稀なケースなんですから。
ぴょんぴょんは2000人ほどの子宮がん・卵巣がん患者さんとネットで会いました。
「膣がほとんど残らなかった…」とおっしゃった患者さんが、お一人だけいらっしゃいました。
その方の気持ちを考えると、どんな言葉をかければいいかわからなかったのを覚えています。

もし、膣が残せなかったらどうなるのぉと心配ですよね。
その場合には、造膣手術というのがあります。腸の一部を使って、膣を造るらしいです。
大きな手術になるだろうし、どの病院でもできるというわけではないでしょう。
造膣後のえっちは、しばらく大変だろうなとも思います。
でも、万が一、膣が残せなくても、造膣という方法はあるんです。

膣が短くなってしまった場合は、どうするんだ〜とも思うでしょう?
その場合は、指などを入れて、伸ばす方法があるんだって。
前にも書いたけど、膣には伸縮性があるので、時間はかかるだろうけど、気長に伸ばすしかないみたい。
逆に言えは、これまた大変でしょうけど、頑張れば伸びるんです!

子宮摘出後の感度の問題ですが、子宮がんや卵巣がんでは、感度に関係する部分は摘出しません。
術後、「どうも…」と言う患者さんはいらっしゃいますが、子宮摘出してもえっちする「機能部分」に問題はないので、「感度がぁ〜」というのは完全にメンタル的な問題です。


●えっちしていいのは、いつから?

患者さんの状態によって違いますので、一概には言えません。
一般的には、退院後1ヶ月目の検診でOKが出るそうです。
ですからもし、1ヶ月目の検診でお医者さんが何も言わなかったら、患者さんの方から聞いてくださいね。

本来なら、先生が気を利かして言ってくれるといいんですけど…。
えっちのことを言うのが恥ずかしい先生もいるんですよね。
そういう先生に当たっちゃったら、こちらから聞かない限り、たぶんいつまで経っても、な〜んにも言ってもらえないと思います。
本当はもうとっくの昔に「えっちOK」だったのに、先生が何も言わず、患者さんも恥ずかしくて聞けずに、術後2年近くもえっちとご無沙汰という患者さんがいらっしゃいましたが、いろいろな面で残念だと思います。
先生に言い出しにくい方は、受診シートでもお使いになってみてください。

術後の性生活についてのパンフレットをくれる病院もあるそうです。
ぴょんぴょんは見たことないけど、これから手術を受ける患者さんは、術後にえっちOKが出たら「術後の性生活についてのパンフレットありますか」って聞いてみるといいと思います。


●痛いのはなぜか

ほとんどの患者さんは、えっちする「お道具」に問題ないと書きました。
でも、「痛い〜」という患者さんが多いです。
「術後初めてのえっちは、ロストバージンよりきつかったぁ」という患者さんもいるんですよねぇ。
これには、いくつかの理由が考えられます。
思いつくままに書いてみますね。

まず、「潤わなくて痛い」という場合があります。
滑りが悪くって、痛いんですよね。
卵巣を取ってしまった場合は、多くの患者さんが潤わなくなっちゃうみたい。
潤いには、卵巣で作られる女性ホルモンが大きく影響してるんでしょうね。
だから卵巣を取ってしまっても、ホルモン補充療法を受けている患者さんは、潤いの面ではあまり問題ないみたいなんです。
でも、エストロゲン禁忌のがんだと、ホルモン補充療法が受けられません。
その場合は、えっちの時に潤滑剤を使う方法があります。
潤滑剤については、別の項目で説明しますね。

卵巣が残っていたり、ホルモン補充療法を受けているのにも関わらず、潤わない場合もあります。
「子宮を取った」という喪失感、手術の傷が気になってなどなど、メンタル的なことが原因なんでしょうね。
この場合は、パートナーにいろいろとご奉仕してもらってね〜。
気分が出れば、潤ってくるんじゃないかと思いますよ。
どうしてもダメだったら、潤滑剤も使ってみてください。

「膣が短くなったので、パートナーのお道具が膣先端を突き破るのではないか」と心配している患者さんって、けっこう多いかも。
ん〜、これねぇ。
膣長が充分残っている場合は、あまり心配しなくても…と思うんです。
ぴょんぴょんは、「術後にえっちしたら、突き破られちゃったよ〜」という話を今までに聞いたことがありません。
痛いのと破れるのは、別々に考えたほうがいいかと思うんですけれど、どうでしょ?
膣長が短くなり、性交障害を感じられている患者さんへの耳より情報は、後述します。

卵巣を取ると女性ホルモンが分泌されなくなるので、潤いの面で問題が出るんですが、性器の萎縮も起きがちだそうです。
萎縮してるのにえっちしたら、やっぱ痛いよね。
この場合は、「使って伸ばす」しかないみたい。
一番初めは、全部入れるのムリかもしれないけど、先っぽからでも入れてもらってみようね。

術後は、えっちしたいって気分にならない患者さんも多いみたい。
だけど、いざという時のため(なんのこっちゃ?)、パートナーがいる人は、時々えっちして、膣を伸ばしといた方がよろしいかと。
な〜んもしないでいると、萎縮する一方らしいです。

放射線治療などの影響で膣が硬くなったり、狭くなったりしている場合は、「膣ダイレーター」という医療機器で徐々に広げる方法もあるそうです。

えっちの時、パートナーから「つっかえる(?)ような感じがする」って言われたという話を聞いたことがあります。
追跡調査していないので、その後、つっかえ感が解消したかどうかは把握していませんが、膣の萎縮や乾燥でつっかえる感じがしたなら、潤滑剤を使ったり、えっちを重ねることで解消できたかな〜って思っています。


●潤滑剤について

「潤い」の代用にと考えられた、専用の潤滑ゼリーがあります。
ローションやオイルもあり、温感タイプとかムースタイプも出て、進化してるんですよぉ。
潤滑ゼリーは1本1000円位で、1本買うと、ま、ほら、頻度にもよるけど、半年から1年は使えるとのことです。

さて、そのゼリーをどうやって入手するかですが…。
病院で主治医に言って出してもらう、町の薬局で買う、通販で買うなどの方法があります。
どの方法で買っても、値段は同じです。
潤滑ゼリーには保険が利かないのです。

恥ずかしくないのは、病院で出してもらうか、通販ですね。
病院なら、診察室で主治医に「こしょこしょっ」と言って、処方箋を書いてもらえば、それを病院指定の薬局に持って行くだけで済みます。
治療の飲み薬なんかと同じ方法で入手できちゃうってわけ。
通販も、用紙に書き込んで送ればいいだけなのでカンタンですよね〜。
普通の通販カタログでコンドームなどのページをよく見ると、潤滑ゼリーも載ってたりします。
ネットの通販もあります。
インターネットの検索エンジンで「潤滑ゼリー」を検索してみてください。ゴロゴロ出てきます。

もし、潤滑ゼリーがなくて、えっちしなくちゃならない状況になったら…。
潤滑ゼリーの代用品として、ベビーオイル、オリーブオイル、食用油などが使えるみたい。
ようは、「滑りが良くなって」「びみょーな部分に使うので、アレルギーの心配がなくて」「万一、口に入っても平気なもの」なら、いいんでないかい。
「他にもこんなのがあるよ」という方は、ぜひ教えてください!
ベビーオイルなどの油を代用に使った場合は…。
わかりますね。寝具などの後始末、ちょっと大変かも。

潤滑ゼリーは水溶性ですので、後始末はカンタンなんですが、「糊みたいな感じでイヤ」という意見があります。
つけっ放しで放って置くと乾いちゃうので、つける量やタイミングがあるんですよね。
お料理みたいに、「大匙○杯を○分前に」というアドバイスができません。
みなさんの意見を総合すると、「水溶性の潤滑ゼリーは、付けてから5分以上置くと乾いちゃう」という話に落ち着きますので、使う量や、いつつけるかは、いろいろと試してみてね。
ムード抜きで考えれば、「あっち」を「こっち」に入れる直前が、ゼリーが乾かなくていいかもねぇ。

水溶性の潤滑ゼリーを使う時は、ほんの数滴オイルを混ぜると、けっこう使い勝手がよかったりします。
だけどこれ、手持ちのAとBを混ぜるので、アレルギーなどの面で問題が起こらないとは言いきれません。
はじめに、手などでテストしてみてください。

さて、どのくらいの量をどこにつけるかですが…。
特に決まりはありません。
何回も書きますけど、滑りが良くなればいいわけなんで、「あっち」でも「こっち」でも、お好きな方にお好みの量をどうぞ。

ここでちょっと注意事項など。
油脂は、コンドーム等のラテックスゴム製品の品質を劣化・破損する可能性があります。
性感染症予防などの目的でパートナーがコンドームを使っている場合は、潤滑剤の成分に注意してくださいね。


●膣長が短くなった場合のえっち

医療関係の方から、膣の長さを補う体位とかテクニックを教えていただきました。

などの方法があるそうです。


●結論

1.子宮や卵巣を取っても、容姿や声が男性みたいになることはない。
2.子宮や卵巣を取っても、えっちはできる。
3.えっちに支障が起きたら、潤滑剤を使ってみよう。
4.体位も工夫してね。

こんなとこかな。
以上。
皆さんの健闘を祈る!

2001.03.26   記
2003.08.31 更新


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