細胞診クラスで3が出たぁぁぁぁ!
これも、ぴょんぴょんの悩みのタネのひとつです。
細胞診クラス(1、2、3a、3b、4、5)と、がんの病期(ステージ。1〜4期に分かれる)は同じような数字で表すので、混同される患者さんが多いんです。
Drは、数字を患者に告げる時、細胞診クラスなのか、ステージなのか、明確な説明をお願いしたいものです。
細胞診という言葉は、一般人には馴染みがなく、健康な一般人に細胞診に関する知識がないのは当然と言えば当然でしょう。
細胞診に関する知識がないことは恥ずかしいことでも何でもありません。
ぴょんぴょんも聞かれれば「こういうことです」と説明したり、「ここを見てください」とご案内しています。
検診で子宮がんと診断されるまでには、いくつかのステップがあります。
初めの検診で細胞診 ↓ 異常なしか、異常ありかのいずれか ↓ 異常ありの場合、再検査 ↓ 再検査の結果、異常なしか、異常ありかのいずれか ↓ 異常ありの場合、もっと詳しい検査 ↓ 定期検診を薦められるか、治療を薦められるかのいずれか |
こんな感じでしょうかね。
初めの細胞診をした結果「細胞診クラス3aや3bが出た!」とおっしゃる患者さんに言いたいけど言いにくいことは…。
細胞診クラス3aや3bは、その結果だけを見れば、がんじゃありません。
「がんになるかもしれない可能性があるから定期的に検査しましょう」または、「がんの疑いがあるので、もう少し詳しく検査しましょう」という状態です。
そして、「細胞診クラスが3です。もう手遅れですか?」と聞かれる方へ再度申し上げたいのは、「細胞診クラス3aや3bというのは、まだ、がんじゃありません」ということです。
びっくりした気持ちは分かるのですが、「死ぬかも〜!!」と騒ぐのは、ちょっと時期尚早な気がします。
いつもいつも騒いでいると、周囲はそのうち相手にしてくれなくなっちゃうこともあるので…。
さて、初めの細胞診で異常が認められた方は、その後、再検査になります。
そして、ここで大きく2通りに分かれます。
一方は「再検査の結果、問題なし」になる患者さん。
もう一方は再検査でも問題ありとされる患者さん。
そして、再検査で問題ありとされた方は、もう少し検査などもあったりして、さらに2通りに分かれます。
一方は医師から「定期検診を続ければOK」と言われる患者さん。
もう一方は、医師が円錐切除や子宮摘出などの治療が必要であろうと判断する患者さん。
治療が必要とされた患者さんは、ある意味、待ったなしです。
「え〜っ!」と驚き悲しみながらも、病院の提示する治療日程という流れのベルトコンベアーに乗せられ、「あらあらあら」と言っている間に治療が始まって行きます。
医師から、「定期検診を続ければOK」と言われた患者さんは、今すぐに子宮を取ったり、何かの治療をしなくていい反面、「いつか細胞診クラスが上がるのかもしれない。そしたらどうなるんだろう…」という不安がつきまとうと思います。
で、どうなるかですが…。
医師から「定期検診を続ければOK」と言われた患者さんが発がんし、死に至ったというケースをぴょんぴょん自身はいまだかつて知りません。
もちろん、この広い世の中には、いろいろなケースがありますから「細胞診クラス3aや3bで定期的に検診されている方は、発がんしても早期治療できるから絶対に死にませんよ」とは言い切れませんが、かなり希少なことだと思います。
死なないような治療をするためには、子宮を諦めざるを得ない場合はあります。
でも、きちんとした治療をすれば、生命に別条うんぬんという事態になることは避けられるのです。
Your Voiceの「細胞診クラスについて、細胞診3a3bの方の投稿」をご覧いただければわかると思いますが、「経過観察中です」と投稿された方はいても、「経過観察していたら発がんし、もう生命の保証はできませんと言われた」という患者さんのケースは現在まで皆無です。
また、頸部の細胞診クラスが3aや3bで発見され、、医師から「定期検診を続ければOK」と言われた患者さんは、細胞診クラスが万一進んでしまっても、まずは、円錐切除やPDT治療など子宮を温存したままの治療が選択可能なことが多いです。
初めて頸部の細胞診を行い、細胞診クラス3aや3bが出た方は、驚いていろいろと調べられたことと思います。
うさぎの本宅や他のサイトで「細胞診クラス3bと言われ、円錐切除したら浸潤していたので、子宮摘出をしなければならなくなりました。涙」というような患者さんの例もご覧になったかもしれません。
「自分もそうなっちゃうのかも…」と驚き慌てる前に、その患者さんが「定期検診を続ければOK」と言われていたかどうかをよ〜く確認してくださいね。
たぶん、「検診→初めの細胞診で異常→再検査でも異常→治療を薦められ…」というケースの患者さんだったのではないかと思いますよ。
細胞診クラス1や2が「どの程度問題ないのか?」というのも、ぴょんぴょんが非常に困る質問です。
細胞診クラス1と2は、「問題ない」クラスですが、細胞は刻々と分裂し生まれ変わります。
ですから、細胞を採取したその瞬間は問題なくても、将来どうなるかなんて誰にもわからないのです。
極端なことを言えば、細胞を採取した翌日、子宮のどこかにがんの元となる異常な細胞が出現しているかもしれません。
じゃあ、毎日でも細胞診をやればいいじゃないかというと、それでは前の日に細胞採取した部分がまだ治っていないし、患者本人の肉体的・金銭的・時間的負担が多いしで、意味ありません。
そこで、医師は「この患者さんのケースだと、このくらいの期間を置いた後に細胞診を再びやろう」と考えるわけです。
健康な人の子宮がん検診(細胞診)は年に一度、細胞診ですでに異常が見つかっている患者さんや術後の患者さんはハイリスクなので半年ごととか3ヶ月ごとなど、検査の間隔が違うのはこのためです。
どのくらいの間隔で細胞診を行うかを考えるのは医師の仕事です。
「他の患者さんは3ヶ月ごとなのに、私は半年ごと。大丈夫なのかな?」とか、逆に「みんなは半年ごとなのに私は3ヶ月ごと。何でなの?!」という疑問は、あなたの病状を把握している主治医に聞いてください。
細胞診の間隔について「うさぎの本宅」でできる情報交換は「私は術後○年で、現在は○ヶ月ごとに細胞診しています」という各人の体験談が主です。
ついでに書いておきますが、同じ病気・同じステージ・同じ手術内容・同じ術後経過年数であっても、医師から申し渡される検診や細胞診の間隔は患者さんごとに違います。
決まりはないようですので、念のため。
2001.11.24 記
2005.08.31 更新
<<前へ 次へ>>