「不安です」と言われても…
ぴょんぴょんが困る質問の一つが「がんになって不安です」という訴えです。
その気持ち、わからなくはないのですが、不安の原因は人それぞれ違うので、「何が」不安なのかを明確に言っていただかないと、不安の原因をこちらが推測しなくてはなりません。
時間ばっかりかかって、全然当たらないんだわ、これが…。
自分の心に潜む不安感の原因を突き止めるのは、「うさぎの本宅」や、ぴょんぴょんの守備範囲じゃありません。
「がんになって、○○という治療するのだけど、どんなことをするかわからないから不安」と言うのなら、お答えのしようもあるんですけど。
不安だけど何が不安かを明確に言い表せない患者さんに、すごく言いにくいので言えないことは…。
不安の原因は、あなた自身が自分の心と対話して原因を見つけるか、家族や友達など、あなたの実生活を知っている人と話す中で見つけるか、カウンセラーなどのプロの手を借りてね。
不安の原因が治療体験の情報不足にあるとわかった場合は、「うさぎの本宅」でも、かなりお役に立てると思います。
「○○という検査ではどういうことをしますか?」と聞かれ、「これこれです」と答えると、「え〜、そんなことするの? そんなのいやだぁぁぁ!」と、こぼしまくる患者さんがいます。
「うさぎの本宅」は治療体験の情報交換サイトですから、質問されて知っていれば答えます。
痛みなどがあって、身体に負担のかかる検査や治療については、「こうすれば、ちょっとは楽でいいかも」ということまでは情報提供できます。
でも、わたくしや、答えてくださる治療体験者ができるのは、そこまでです。
「いやだぁぁぁ!」と騒ぐ患者さんにすごく言いにくいので言えないことは…。
真実は、耳に心地よいものだけではありません。
知りたくないと嫌がる人に、むりやり真実を告げたわけじゃないんです。
私や教えてくれた人に対して騒がれても、困るんですよね…。
いやなら、やらないという選択もできます。選択権はあなたにあります。
ただし、いやだからやらなかったことで、もし不都合があったら、その責任というか結果は、自分自身が受け止めることになります。
自分で選択できるという「権利」には、結果は自分持ちという「義務」があります。
いいとこだけ自分持ちで、嫌なとこは他人に渡すってわけには行かないのです。
それから、質問された方が「いやだぁぁぁ!」とコメントする治療を、回答者はすでに受けています。
回答者の立場にしてみれば、自分の受けた治療が「いやだぁぁぁ!」と言われたことだけを取り上げて考えても、普通はいい気分しません。
治療経験者同士が「あれはいやだったね」と、感想を述べ合うのとはわけが違うんです。
「私の受けた治療って、他人から見るとそんなにヒドイの?」なんて、考えちゃったりもしますしね。
2001.11.24 記
2005.08.31 更新
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