退院後
仕事を持っている人は、入院前、「どのくらい休めば復職できますか?」と主治医に質問したと思います。
ぴょんぴょんも聞きました。
主治医の答えは、「退院した次の日からでも、問題なく働けます」。
ところがぴょんぴょんの場合、これは大嘘でした。
先生は、「治療の必要がなくなったから退院」=「健康」=「働ける」と考えるんだろうけど、それは無理でしょう。
主治医が全員、子宮がんの手術経験があるってわけでもないだろうし…。
病院って、建物は病人向けに平坦に造られてるし、刺激が少ないんです。
ぴょんぴょんは入院中、頑張って結構動いていましたが、退院して外に出たら、ただ道を歩くのすら一苦労でした。
筋力が落ちてるから、普通に動くことでも、かなりの努力を要します。
太陽は燦々と照りつけるし、人や車もブイブイ動いてるし、それ見ただけでクラクラしました。
「人酔い」っていうんでしょうかね。
そういうのって、ちょっとずつ外出して、慣らしていくしかないみたい。
リンパ郭清のためか、すぐ足が痛くなっちゃって、30分以上は立ってられなかったし。
結局、退院して半月くらいはちょっと動くとくたくたに疲れちゃって、お昼寝してました。
根性出しても、起きていられませんでしたねぇ。
だから、退院してすぐに復職っていうのは、あまりお勧めできません。
最低でも2週間くらい、日常生活のリハビリ期間を設けた方が楽でしょう。
その後も、いきなり以前と同じタイムスケジュールでの仕事は、ちょっときついと思います。
可能であれば、しばらくは軽め、短めの仕事時間にしてもらったほうが身体が楽だと思います。
それから周囲の人に、自分の状況を理解してもらおうと思わない方がいいかも。
「これはできる」「これはできない」をはっきり伝えるのはいいとして、「だからわかって!」と言っても、理解を得られないことが多いです。
陰で「病気になって、甘え過ぎてるイヤな人」なんて言われてたりして…。
そういう場合は、もう放っておくに限ります。
言葉を尽くして説明しても、わからない人にはわからないんです。
相手にとって、他人の病気はしょせん「他人事」ですから。
退院後、がんに関して特に治療が必要なければ、「後は良くなるだけ」って思うでしょ?
確かにその通りかもしれないけど、退院後の良くなり方は「亀の歩み」です。
ここで焦ると、精神的にイッちゃいます。
「時間が経つことでしか治らないものもある」って考えてね。
泣いて過ごしても、笑って過ごしても、1日は24時間だし、1年は365日です。
そして、人間はいつか、必ず死にます。
どうせなら、有意義で楽しい一生を過ごしたいですよね。
それって、気持ちの持ちようもかなり影響することだと思います。
みなさん、どうぞお大事に!
2001.5.03 記
2005.8.31 更新
<<前へ 次へ>>