正確に言うと「子宮がん」という病名はありません
子宮は洋梨のような形をしていて、膣側から下3分の1を頸部、その上の3分の2を体部と呼びます。
体部は、胎児の宿る場所です。
子宮がんという言葉は耳にしたことがあると思いますが、正確には、子宮がんという診断名はありません。
がんが発生した部位によって、「子宮頸部がん」と「子宮体部がん」というように、病名が2つに分けられています。
子宮頸部がんは、子宮の入口(頸部)にできるがんで、「子宮体部がん」は子宮の奥にできるがんです。
以前の日本では子宮頸部がんにかかる人が圧倒的に多く、子宮がん患者のうち約95%が頸部がんで、残りの5%が体部がんでした。
しかし最近になって、子宮体部がんの割合が増加し、頸部がん約70%、体部がん30%の割合に変化してきています。
同じ子宮のがんでも、 頸部がんと体部がんは、検診・診断・治療・予後のすべてにおいて異なりますので、まずは調べたい病名を正確に確認してください。
「子宮がん」としかわからずに治療法や入院日数、治療費、可能性のある後遺症、予後などを調べると、自分にはまったく当てはまらない資料をたくさん見ることになり、余計混乱するだけになってしまいます。
うさぎの本宅も含め、患者サイトではサイトの説明を「子宮がん」と書いていることが多いのですが、これは、頸部がんであっても体部がんであっても、子宮摘出のための入院や手術の過程、術後の状態などには共通の事柄が多いためです。
もちろん、頸部がんにだけ適応になる治療、体部がんだけの禁忌などもありますので、ご自分の病名はしっかり確認してください。
なお、頸部がん、体部がんという名称は、少し異なった言い方をする場合もありますので、よく見かけるものをご紹介しておきます。
病名 | 同じ意味で使われる言葉 | 備考 |
頸部がん | 頚がん 頸がん |
「がん」は、「ガン」「癌」と書く人もいます。 |
体部がん | 体がん 子宮体がん 子宮体部がん 子宮内膜がん |
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