渚で待ってる
輝く太陽が白い砂に椰子のシルエットをくっきりと描く昼下がり。
波静かな海は、波打ち際から沖へ向かってだんだん濃くなる青緑のグラデーションを見せている。
さざなみが奏でるメロディーを聞きながら、人気のない砂浜を歩いているわたくしは、きっとその心地よさにうっとりしていることだろう。
誰もいない浜辺の解放感と花の香りを含んだ空気を満喫した頃、そばの草むらがサワサワと音を立てて動く。
緑濃い茂みを分けて姿を現すのは、猫や犬やオウムなど、わたくしのペットだった子たち。
猫は、耳に南国の色鮮やかな花を飾っているかも。
彼らは、茂みから飛び出してわたくしに身体をこすりつけ、また会えた喜びを全身で表してくれるだろう。
そして、わたくしは、自分も星になったことを知る。
わたくしが会いたい人、でも、今の世界ではもう会えない人たちも、きっと渚で待っててくれているはず。
渚で待っててね。
そして、わたくしもいつかそこへ行ったら、いずれ後から来るであろう親しい人を渚で待ってる。
2005年3月28日 記
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