ヒポクラテスの誓い
Drなら誰しもご存知のことと思いますが、あの誓い、もう少し守っていただけるとありがたい。
とくに「医に関すると否とにかかわらず他人の生活について秘密を守る」のとこ。
この前入院してつくづく思った。
病室に回診するのはいいんだけど、話、筒抜けでしょ。
同室だったおばあちゃまが一人暮らしで、鬱病の治りかけで、糖尿病で視力が急激に落ちてるけどインシュリンの使い方が不適切だとか、このままでは(特に精神面で)危なくて一人暮らしはさせられないので、同居してくれる人を探すのが望ましいって話を、わたくしは先生とおばあちゃまの話から知りました。
おばあちゃま本人から聞いたわけじゃないですからね。
耳ダンボになってたわけでもないですからね。
4人部屋だもん、聞こえちゃったんです。
先生がわたくしに「あの人はね」と話したわけじゃないので、ヒポクラテスの誓い、秘守義務は破っていないと考えるかもしれないけれど、他人の耳があるところでプライベート情報を話さざるを得なくなる場面設定はやめとくれ。
Ns「入院したことありますか?」
ぴ「あります」
Ns「いつですか?」
ぴ「4年前です」
Ns「何で入院したの?」
と聞かれれば、同じ病室の人がいる前で「がんです」と答えなくちゃならないことになる。
でしょう?
こっちの話は周囲に筒抜けのはずなので、腫瘍マーカーを「マーカー」とか「CEA」って言ってみたり、便を「コート」って言ったみたり、大腸内視鏡を「CF」って言ってみたり、周囲の患者さんに、わたくしの既往症や、どんな検査を受けるのか悟られないようにするのが大変よ。
病気を隠すつもりはないけれど、世界の中心でわたくしの病名や、
消化器のがんかもしれないので
大腸内視鏡するんだぞ〜。
だから下剤かけてんだぞ〜。
トイレに行くのはぴーぴーだからなんだぞ〜。
と叫ぶつもりもないわけで。
一応、「恥じらい」とか「世間体」ってもんもあるので、そこんとこよろぴく。
2004年9月26日 記
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